the true meaning of life


欲と無気力―「それ」のレッテルを毛沢東に貼られた神は、失意のもとラサからヒマラヤを越えた。世界中の企業家が彼を見捨てても、「それ」に負けない限り彼と彼の国は勝つだろう
“THE BLUE HERB - 時代は変わる Part.2, 3”

インド北部ヒマーチャル・プラデーシュ州のダラムサラに滞在しています。ここはチベットダライ・ラマ14世が1959年の反乱事件を機にラサから亡命して臨時政府を置いている場所として有名ですね。町中にはインド人よりも圧倒的にチベット人が多く、顔がよく似ているものだからおもわず親近感を抱いてしまったり。

ツーリストタウンであるマクロードガンジではお酒も飲めるし、外国人向けのレストランはもちろん最新の洋画を上映する映画館などもあり、週末の夜となればズンズンと唸るクラブサウンドがメインロード方面から響いてきています。チベット人の若者も自由を謳歌して今風のファッションに身を包み、カフェに流れるのはインド音楽ではなくUS方面の最新ヒットばかり。インドであってインドではないとはまさにこのことでしょう。

カオサンやルアンパバーンほどではないにしろ海外からの渡航者に対して大きく門徒を広げているこの地は、活仏である猊下の亡命先としては少しばかり賑やか過ぎる気がしないでもないですが、それでもチベットという国の情勢を考えるとそこまでしても自らの置かれている現実を発信し続けていかねばならない苦労もあるわけです。町中にはFREE TIBETの文字が翻り、若き僧侶の法話や反中デモに関するアジポスターも目に留まります。中国に実質支配されているチベットとラサの現在の情勢はあまり詳しくありませんが、もはや「ダラムサラこそが真のチベットである」と言われてしまう所以もわからなくもありません。

運良く本日から猊下のティーチングが9日まで行われているので、拙い英語力をフル稼働させて参加しています。前の反乱からここダラムサラで“TIBET IS NOT CHINA”をスローガンに捲土重来の期会を探るチベットですが、合衆国がボスの座に居座る西側に従いて完全にその配下に置かれる…というのはまた話が違うわけで。東西の思惑と奸計の狭間で常にその身を焦がし、今もなおメッセージを発し続ける活仏はこの地で何を思うのでしょうか。