a map for saturday


しばらくフラフラしていましたが、ひと月ほど前に無事帰国しとります。どもども。

「旅とは毎日が土曜日のようだ」とはうまく言ったものだなあと思います。片道航空券だけで日本を飛び出して、別段の当てもなく、帰る予定すら立てず、行けるところまで行ってはみたけれど、ただひたすら自由であればあるほどに不自由さを感じてしまう。ここまで期日というものを度外視して旅したのははじめてでした。

旅もちょうど3ヶ月目を迎えようとしていた頃、僕はインド・パキスタン国境のラホールという場所でクロージング・セレモニーを観ていました。セレモニーが終わるとすでに陽は沈みかけていて、多くのインド人にまぎれて砂塵が巻き上がる帰路を歩き続ける中、遠くから真っ赤な夕陽がすべてを染めていました。タージマハルやトリウンドを差し置いて、インドではあの光景が一番印象に残っています。その最中で「ああ、自分はひたすら西へ西へと進んで、遂にこんなところまで来たのか…」という妙な達成感に導かれ、そのままデリーへと向かい、その一週間後には日本の土を踏んでたわけです。旅の終局は啓示の如く「降りてくる」感覚でやってきたのでした。

やるべきことは諸々あるけれど、当分はこのなんでもない日常を謳歌したいと思います。とりあえず今会いたい人に会いたい。が、会いたい人ほど近くにいないんだよなあ。世の常ってやつでしょうか。