Los Crudos Japan Tour 2015
Los Crudos@Shisaibashi Hokage 29/06/2015
あの夜、あらゆる雑念は吹き飛んだ。優しくも強い意志を包括したマーティンの咆哮は、俺のチンケな悩みなんて宇宙の彼方にふっ飛ばしてくれた。ムーチャスグラシアス。パイセン方に良~いパンチもらいました。決して一時的な現実逃避なんかではなく、心の底から強く強く「生きねば」と思いました。
俺がこのブログを始めて一ヶ月目くらいにLos Crudosの全音源集を紹介したのがもう6年前。ちょうどその頃一時的な再結成をして本国アメリカでいくつかのギグをこなしていた頃だったと記憶しているけど、まさかこの目で観られるとは思ってもみなかった。
しかしハードコアパンクのライヴ自体久しぶりなのもあるけど、音楽畑にいる共通の友達が自分には皆無だなとあらためて痛感した…。やっぱ頻繁に現場に出ないと知り合いを得ることはできないな。別に出会いを求めに行ってるわけではないけれど、やはり同好の士っていうのは貴重なものだし、こういうニッチなジャンルになると尚更だ。
Toilet Rush 衝廁
大腸に疾患を抱えている都合で非常にトイレが近い小生、旅先での一番の心配事といえば衣食住や防犯上の諸々をすっ飛ばして「便」であると断言できる。
目的地のトイレ情報(紙は常備されてるか?紙は流してもいいか?有料か否か?etc.)はちゃんと事前に調べておくのが常なのだが、来月渡航予定の香港はどうやらトイレ事情において大変シビアな街のようだ。内外の香港通が言うことにはまず公衆トイレが全然ないという。あの世界でも名高い大都市香港に公衆トイレがない?嘘だろ?と思ったがどうやら事実のようで、あるにはあるが汚かったりわかりにくい場所にあったりと中々に厳しい状況とのこと。ショッピングモールなんかにはあってもMTR(香港都市鉄道)の駅や茶餐廳(香港版ファミレスのような店)になかったりするらしく、ちょっと日本では考えられないレベルの不便さに渡航前から悄然としている。
そこで「じゃあ香港人はどこでやってんだ…」という疑問が擡げてくる。みんなある程度場所を把握してるのか?しかし絶対数が少ない中で、しかも旅行者の自分が突然便意に襲われて場所を探しだすのは至難の業。自力でトイレマップでも作るか…と思った矢先、香港トイレマップ的なアプリを発見。やっぱあるんじゃないか!Toilet Rushという名前が必死さを物語っていてなんとも言えない気持ちになる。アプリ説明には「あなたが現地人だろうがツーリストだろうが関係なし!近くのトイレを瞬時に調べられます!」という煽り文句が踊り、「男女別」「多機能トイレ」のオプションが設定できたり、トイレ別に星付やコメント評価も可能でまだ登録されていないトイレがあれば追加できる。なるほど我々トイレノマドは情報を共有して助けあっていかねばならないのだ…。
汚い云々という公衆トイレの環境にもこの際目をつぶる。実際問題長期滞在していたフィリピンやインドのトイレは「努力してそうなったのか?」というくらい徹底的に汚されていたけどなんとか用を足していたし、排泄的な意味でも背に腹は代えられないのだ。
「アプリより先にもっとトイレ作れよ」と言いたい気持ちをグッとこらえ、ローマは一日にしてならずではないけれど「トイレは一日にしてならず」の精神で、なんとか大惨事を回避したいものだ。7月の香港の街でスマホ片手に必至な顔でウロウロしている日本人がいたらおそらく私です。
backpacker's delight
原語でHIPHOP関連のニュースサイトなんかを読んでいると"BACKPACK HIP HOP"というワードが散見されるので、なんじゃそりゃ?と思いググってみたら真っ先にWikipediaのページがヒットした。以下一部抜粋。
Backpacker (US slang)
From Wikipedia, the free encyclopediaIn US urban slang, a backpacker is one who listens to backpacker hip hop (alternative hip hop).[1]
どうやらこのワード自体はオルタナティブ・ヒップホップ全般のことを指すらしい。そしてBACKPACK HIP HOP愛好者のことをそのまんまBACKPACKERと呼ぶ、と。たまにLil WayneやKanye Westなんかがバックパックを背負ったまんまライヴ演ってるのを映像で見たりしたけど、どうも「バックパック背負ってラップする」ということではないようだ。
由来はストリートでグラフィティを描くペインター達が好んで聞いていたのがオルタナティブ・ヒップホップで、彼らは常にグラフィティ用の画材一式と音源のコレクションをバックパックに入れて活動していたからなんだとか。個人的にメインストリームのHIPHOPはイマイチ詳しくなくて(かといってコアなモノを掘り下げているわけじゃないけれど)、好みとしては完全にオルタナティブな方に傾倒しているので、自分は二重の意味でBACKPACKERなのかもしれない。
一時期「リュックはオタクっぽい」と叩かれた風潮があったけれど、個人的なことを言わせてもらえば物心ついた頃からリュック至上主義なので未だにショルダーとかはほとんど使用しない。ビジネスバッグですらリュックのやつを使ってるから結構頑固なこだわりだと思う。身体の片方にしか重心がかからないのが違和感あるし、やはり両手が空くというのは良いことだ!難点があるとすれば、リュックが密着することによってナイアガラの如く止めどなく流れる夏場の背汗か…。
Beastie Boys - Three MC's and One DJ - YouTube
まさしく「BACKPACK HIP HOPとは何たるか?」というアブストラクトな問いに対する一つの指標と成り得る偉大なビデオ。Mix Master Mikeも謎のバックパック背負ってます。
EARTHLESS & ETERNAL ELYSIUM Japan Tour 2015
あけましておめでとうございます。
新年一発目、Earthlessのギグを観るため久しぶりにライブハウスへ。2014年1月に予定されていた来日が中止になってしまっていたので、ちょうど一年振りのリベンジでもありました。
少し遅れて入った難波BEARSはまさかの超満員。いくら土曜で木戸銭が破格の前売り2700円とはいえ、インストのサイケロックバンドのギグにここまで人が集まるとはまったく予想外の出来事。驚きと共に「こんなに同志がいたのか…!」という良い意味での裏切られっぷりにテンションも昂ぶります。2013年にドロップされた"From The Ages"は言わずもがなのマスターピースだったので、ツアーキャンセルとなった昨年1月からこれまでの間に新たなファンを生み出していたのかもしれません。
以前も何度か観ているEternal Elysiumは硬派なドゥームサウンドで程よく脳みそを蕩けさせてくれて、本命のEarthlessは期待以上に最高でした。特にドラマーのマリオ・ルバルカバはハードコアパンク畑出身の人なので、彼のドラミングは常に緊張感が張り詰めていて決して凡庸でダラダラしたジャムに陥らず、バンドの屋台骨をガッシリと支えている印象。どれだけいろんな音楽を聞いていようとも、シンプルな楽器の構成で掻き鳴らされるサウンドこそが自分にとっては原点にして頂点なのだということを再認識しました。
ギグ後はメンバーが写真撮影やサインに応じていて和気藹々とした雰囲気。個人的なことを言うと、ライブハウスで初めて会った他のお客さんと喋ったり、その流れで飯食いに行って音楽談義したりっていうのが本当久しぶりで、ライブばかり行ってた学生時代の感覚が蘇ってきた感じでした。やはり音楽の化学反応は常に現場で起こっていて、その感動は二度と同じものがなく、そこで得られる経験や知識や出会いも含めて「ライブ」なんだなあと深く沁み入ったロックンロール体験でした。